リービング・ラスベガス
2000/5/26
Leaving Las Vegas
1995年,アメリカ,112分
- 監督
- マイク・フィギス
- 原作
- ジョン・オブライエン
- 脚本
- マイク・フィギス
- 撮影
- デクラン・クイン
- 音楽
- マイク・フィギス
- 出演
- ニコラス・ケイジン
- エリザベス・シュー
- ジュリアン・サンズ
- リチャード・ルイス
スティングの歌、スーパーで嬉々として酒を買いあさるニコラス・ケイジ、という印象的な始まり方をするこの映画は、ジョン・オブライエンの原作をもとに、アルコール依存症のベン(ケイジ)を徹底的に追ってゆく。
重度のある中のせいで会社を首になったベンはLAを離れ、ラスベガスにいくことに決めるが、その目的は?そこで何が待っているのか?
スタイリッシュな映像に印象的な音楽、脚色・監督・音楽と三役をこなしたマイク・フィギスの心が伝わってくる一作。
まず、純粋に映画としてこの映画が優れている点は3つある。ひとつは主演の二人の素晴らしさ。不健康で情けない役をやらせたらニコラス・ケイジの右に出るものはいない。そして、エリザベス・シューの豊かな表情も素晴らしい。2つ目は音楽、監督自ら手がけただけあって、登場人物の心情の暗喩として使われる音楽が非常に効果的だった。第3は映像と音楽のマッチング、この映画では様々な映像的工夫(たとえばストップモーション、極端なクローズアップ、粗い画像)がなされているのだけれど、その手法とBGMとして流れる音楽が非常にマッチし、さらに、そのシーンのイメージを的確に表現している。したがって、その映像的工夫が「実験的」なものとして映ることなく、自然なものとしてみることができる。
そして、プロットがうまくできていること。これはジョン・オブライエンの原作のよさに多分に拠ってはいるのだろうけれど、ありきたりのストーリーでありながら、サラの語りとすることによってテンポに強弱をつけたのは秀逸なアイデアであったと思う。