Moon 44
1990年,アメリカ=西ドイツ,100分
監督:ローランド・エメリッヒ
脚本:ディーン・ハイド、ローランド・エメリッヒ
撮影:カール・ウォルター・リンデンローブ
音楽:ジョエル・ゴールドスミス
出演:マイケル・パレ、マルコム・マクダウェル、リサ・マイクホーン、ディーン・デヴリン、ブライアン・トンプソン

 「インディペンデンス・デイ」の監督ローランド・エメリッヒの初期の作品。地球の資源が枯渇し、他惑星からの鉱物輸送が必要となった21世紀、資源豊富な惑星“MOON44”を巡る多国籍企業同士の攻防戦が巻き起こる。
 宇宙戦闘機や高性能ヘリコプターなどによって、近未来的な戦いが繰り広げられる。ただ、この物語の焦点はSFであることよりも、サスペンスでありドラマであること。ムーン44を守る側の囚人と10代の青年たちとの関係に焦点が当てられる。 

 この映画がSFであり、外惑星を舞台とする必要などこにもない。エイリアンがでてくるわけでも、地球ではないことがストーリーに大きな影響を与えるわけでもない。エメリッヒの作品は、考えてみれば「インディペンデンス・デイ」も「スターゲイト」もSFの仕掛けを使った人間ドラマだということができるのかもしれない。
 それを置いておけば、ドラマとしては悪くはない。安価な労働力として集められた囚人と青年たちという設定も自然だし、彼らの間の抗争関係もありきたりといえばありきたりだが、プロットを引っ張ってゆく要素としてはうまくできていた。映像も動きがって、引き込まれる。ただ、全体に暗い映像で作られているのは、意図はわかるが少ししつこい気がした。狙いすぎか、それとも稚拙なセットを隠すための仕掛けか。

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