Snake Eyes
1998年,アメリカ,99分
監督:ブライアン・デ・パルマ
脚本:デヴィッド・コープ
撮影:スティーヴン・H・ブラム
音楽:坂本龍一
出演:ニコラス・ケイジ、ゲイリー・シニーズ、ジョン・ハード、カーラ・グギーノ、ケヴィン・ダン

 アトランティック・シティのスタジアムで行われたボクシングのヘビー級タイトルマッチ、賭博にいそしむ汚職警官のリックもその場にいた。そして、リックが賭けたチャンピオンが倒れた瞬間、リックのすぐ側にいた国防長官が銃弾に倒れた。リックは国防長官の警護主任をしていた親友のダン中佐とともに1万4千人の観衆の中から事件に関係する容疑者たちを探しだそうとするが…
 巨匠デ・パルマが工夫を凝らして作り上げたサスペンス。浮かび上がる関係者たちの謎が解けていく過程は推理小説のようでスリリング。 

 全体的に言えば、前半の謎解きの部分はかなり面白い。しかし、そのあとの展開はちょっとね。どこにでもあるアクションものにしかなっていない気がしてしまう。
 デ・パルマはかなり工夫を凝らしているのだけれど、それが映画に貢献しているかと言うと少々疑問。最初10分くらいを1ショットで見せるところも、「ほー」と関心はするけれど、果たして必要なのかと言われると、別になくてもいいかなという気もしてくる。事件の現場をさまざまな人の主観ショットから撮るという発想もかなり面白いけれど、ちょっと親切すぎるかなという気がする。特に、ダン中佐の主観シーンはもう少し工夫のしようがあったんじゃないかな?
<ネタばれ注意>
だって、あれは嘘の画面なわけでしょ。ダン中佐が作り上げた。それを他の本当に見た画面とまったく同じ撮り方で撮ってしまうのはどうかな? 嘘である事を隠すためにはそれでいいのだけれど、じゃあ、あの画面はどこにあったの? という疑問が沸く。つまり、それは現実には起こっていないものだから、ダン中佐の頭の中で作り上げられたもののわけで、それなのに現実とまったく見まごうことない鮮やかな映像でいいの? 歪みとか、ためらいとか、そういったものが画面に反映されるのが本当なんじゃないの? もちろん、そういう歪みを出してしまったら謎解きのほうの魅力は減退してしまうのだけれど、その辺は何とか工夫できたんじゃないの?
 と、難癖をつけてみたくなりました。
 他に、感想を羅列してみると、
・ゲイリー・シニーズはかっこいい。
・ニコラス・ケイジはいやらしい。
・エンドクレジットの最後の謎もすべてが丸く収まってしまったあとではどうで もいい。(あれは、赤毛の女がつけてた指輪だよね、多分) 

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