Bringing Up Baby
1938年,アメリカ,102分
監督:ハワード・ホークス
脚本:ダドリー・ニコルズ、ヘイジャー・ワイルド
撮影:ラッセル・メティ
音楽:ロイ・ウェッブ
出演:ケイリー・グラント、キャサリン・ヘップバーン、チャーリー・ラグルス、メイ・ロブソン

 恐竜学者のデヴィッド・ハクスリーは研究仲間のアリスと明日結婚する予定だった。デヴィッドは研究所の資金集めのため接待ゴルフに出かけるが、そこで人の球を勝手に打ち、人の車に勝手に乗るスーザンに出会う。デヴィッドは彼女のおかげで接待をめちゃくちゃにされてしまった…
 ハワード・ホークス、ケーリー・グラント、キャサリン・ヘップバーンというハイウッド黄金期に輝くスターがそろったスクリューボールコメディの名作。次から次へと繰り出される展開に圧倒される。今から見れば、定番の笑いの形の連続だが、それは逆にいえば、このころのコメディが現在のコメディの原型になっているということ。

 今見ると、爆笑ということはない。大体次の笑いの展開は読めるし、オチも読める。そして見終わって、「何かどリフみたいだな。」と思ったりする。それは、この映画の笑いのパターンが今もどこかで使われているということ。何もこの映画が原点というわけではないが、ひとつのコメディの型となったいわゆる「スクリューボールコメディ」の名作のひとつではある。
 笑いの構造を分析していけば、そのことは明らかで、たとえば留置所の場面で最初に二人が捕まえられ、電話をかけ、もう二人捕まえ、また電話をかけるというくり返し、そこにまた現れる二人…。しかしその二人はつかまらず、逆に無実を証明する。そこにまたやってくる二人、今度は新たな厄介をしょって…。このような繰り返しによる笑いのパターン。
 などといってみましたが、笑いを分析するほどつまらないことはない。のでやめましょう。
 しかし(と、またごたくを並べる)、「こんな笑えないコメディ見て楽しいのかよ」といわれると悔しいので、この映画を見ることを正当化したい欲求に駆られただけです。結構面白いですよね、こういうのも。

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