愛情麻辣湯
Spicey Love Soup
1998年,中国,109分
監督:チャン・ヤン
脚本:チャン・ヤン
撮影:チャン・ジァン
音楽:ジャ・ミンシュ
出演:チャオ・ミアオ、カオ・ユアンユアン、シュイ・ファン

 火鍋と呼ばれる激辛鍋を食べるカップル。二人は結婚を考え、翌日彼女の両親と食事をすることに。彼氏の方はその夜おなかをこわしたが、彼女の両親との食事もまた火鍋だった…
 というプロローグで始まる中国の様々な恋愛模様を描いた群像劇、火鍋のカップルを含めれば5つのエピソードで構成される。すごいところもあれば平凡なところもある。中国の新しい映画。

 まとめてしまうと、突き抜けそうな勢いがあるところもかなりあるけれど、基本的に「くさい」ので、全体としては微妙なところ。おそらく、総括してみれば平凡な映画なのかもしれない。でも、考えてみれば異常なほどのまとまりのなさ。愛に様々なバリエーションがあるというのなら分かるけれど、この映画のそれぞれのエピソードはあまりに共通点がなさ過ぎる。
 最初の話はすでにあまり覚えていませんが、いわゆる中国映画らしいオーソドックスな感じ、2話目も最初はそうかと思いきや、がたがたと崩れていき、人形劇の辺りでは壁を乗り越えて突き抜けた感じがした。しかし、それもつかの間またオーソドックスにもどり、3話目はなんだか説教くさい普通の話。4話目はできそこないのウォン・カーウァイかと思わせておいて、「何じゃその落ちは」と突っ込まざるを得ない終わり方。2話目と4話目に私のハートはわしづかみされましたが、他の部分が全体的に説教くささも含めてくさく、トレンディードラマかよと突っ込みたくなる場面も多い。それでもそこここにセンスを感じさせるシーンや画面がちりばめられているので、見ながら映画に対する評価も激しく上下していくという感じです。
 と、かなり微妙な映画ですが、もう一つ突き抜ければすごい監督なのかもしれない監督の可能性は見えた気がします。

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