A.I. Artificial Intelligence
2001年,アメリカ,146分
監督:スティーヴン・スピルバーグ
原作:ブライアン・オールディス
原案:スタンリー・キューブリック
脚本:イアン・ワトソン、スティーヴン・スピルバーグ
撮影:ヤヌス・カミンスキー
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:ハーレイ・ジョエル・オスメント、フランシス・オコナー、ジュード・ロウ、ウィリアム・ハート

 地球温暖化でニューヨークが海の底に沈んだ未来世界、人口抑制のため妊娠は認可性になった。サイバートロニック社はそんな親たちのために代用ロボットを開発。ホビー博士はそこに「愛」をインプットする研究を進めた。息子を不治の病で低温睡眠に置いているサイバートロニック社の社員ヘンリーとモニカの下にその1号機「デヴィッド」がやってくる。
 スピルバーグが故キューブリックのアイデアを映像化。最も有名な子役オズメント君を使ってロボットと愛というテーマを描く。

 物語のテーマから考えていくとあまりに甘っちょろすぎるという感じ。結末はいえませんが、その終わり方はどうなんだ? スピルバーグ平和ボケか? と思ってしまう。同じ「ロボットと愛」ものなら「メトロポリス」(アニメのね)のほうが数倍面白いし、考えさせられるところも多い。ということで、あまり(というか全く)物語には共感できませんでした。
 映画としては全体としてテーマパークっぽいというか、とりあえずアトラクションを詰め込んだという感じなのはなかなかいいですね。「フレッシュ・フェア」とか「ルージュ・シティ」とかそういった部分部分は面白くないわけではない。そしてジュード・ロウ。この映画を見て誰もがいうのは「ジュード・ロウはよかった」。全くその通りで、ジュード・ロウはいい。オズメント君もやはり演技はうまくて、ロボット感が出てはいたんですが、そもそも役がロボットらしくないロボットなので、そのロボット感がまたどうなのかな。とも思ってしまいます。結局デヴィッドは人間になりきれていないできの悪いロボットでしかなく、それこそが悲劇の源なんだと思ってしまいます。話がそれてしまいましたが、ジュード・ロウはそのロボット感がなかなかいい。人間くささもあるけれど結局はロボットという感じをうまく出していましたね。
 さて、個人的には一番気に入ったのはドクター・ノウ。このしゃべりまわしどこかで聞いたことがある! と思ったら、声はロビン・ウィリアムスでした。
 あとは、ジャンク置き場からフレッシュフェアのあたりはよかったですね。人間として扱われない人間のようなもの。これは一種の「差別」の構造なわけですから、それが暴力に結びつくことを描くというのは考えさせられるものがあります。果たしてロボットが人間に近づいたときわれわれはどのように反応すればよいのか? 現実感がないままそんなロボット世界がやってきてしまうと、フレッシュフェアの人たちのように反応してしまうこともありえるような気がします。それでもデヴィッドの救われ方には疑問が残りますが…
 結論としては「メトロポリス」(アニメのね)を見よう! でした。

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