Murarz
1973年,ポーランド,18分
監督:クシシュトフ・キエシロフスキー
撮影:ヴィトール・シュトック
出演:ジョセフ・メレサ

 一人の初老の男のモノローグで全編が語られるこの映画は、そのモノローグによってポーランドの歴史を垣間見せる。男ジョセフ・メレサは昔からの共産党員で、その視点から歴史を振り返る。そして、しっかりと身づくろいをして向かった先は党大会のパレードだった。旧知の人たちとにこやかにパレードするメレサ。彼以外の人々も非常に楽しそうだ。
 すでに開放的雰囲気の中、党は変わりつつあるが、そのパレードは昔の華やかな姿を想像させるものがある。
 最後の最後、パレードの場面からモノローグは続いたまま、煉瓦工の姿が映る。煉瓦とセメントで煉瓦の壁を積み上げる。不意に現れるその姿が妙に印象的で、感動的だった。

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