The Blair Thumb
2001年,アメリカ,30分
監督:トッド・ポーチガル
脚本:スティーヴ・オーデカーク
出演:スティーヴ・オーデカーク、ジム・ジャクソン

 前2作が話題を呼んで、続編が期待されていた「親指」シリーズ、オーデカークが満を持して出したのは、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の親指版。そもそも、いろいろと物議をかもし、ヒットはしたものの揶揄されることも多かった映画なので、パロディするのは楽なはず。
 しかし、オーデカークが作ったのはパロディというよりは、映画をネタにしたコメディ。設定を借りて、ぜんぜん違うオチを用意して笑わせる。それがミソ。

 そもそもの『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』がどうしようもない映画だったので、それよりもつまらなくなることはないわけですが、オリジナルの処理に困ったのか、中盤と最後のオチは完全にもとネタからは離れたところで狙っている。ネタを明かすことはもちろんできませんが、その2ヶ所はなかなか笑える。そもそも『ブレア・ウィッチ』の大げささはパロディ化しやすい素材なわけで、『ボガス・ウィッチ・プロジェクト』というパロディもありました(未見)。『ブレア・ウィッチ2』(未見)も最初はパロディだといううわさもあったぐらいだし。
 しかし、それはパロディ作家としては作りにくいという点もあり、みんなが予想するネタではない予想外のネタで笑わせなければならない。冒頭の辺りの「手ブレ撮影法」なんかは面白いけれど、予想できるネタで、誰でもやるだろうこと。わたしが一番好きなのは、中オチのネタ(アー、言いたい!)で、多分オーデカークだか、監督だかも気に入っているらしく、映画後のおまけのところでも登場していた。いやいや、あれは不意を突かれたね。
 この映画はもとネタのいらいらする感じをそのまま使っている。そこをパロディ化してテンポよく行くのかと思ったら、もとネタのいやなところを生かしている。これは多分、ネタとのギャップを強調するためだろうけれど、ちょっと本当にイラつくので難しいところ。
 最初の2本と比べると、見慣れてしまったこともあり、爆発的な笑いはなかったけれど、なんだかんだいって新しいのが出たらまた見てしまうのでしょう。すでに2本作られてるらしいし。

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