Home Alone
1990年,アメリカ,102分
監督:クリス・コロンバス
脚本:ジョン・ヒューズ
撮影:ジュリオ・マカット
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:マコーレー・カルキン、ジョー・ペシ、ダニエル・スターン、ジョン・ハード、キャサリン・オハラ、ジョン・キャンディ

クリスマスが近いある日、翌日から家族でフランスに行くことになっていたマカリスター家は兄夫婦とその子供も来ていて11人の子供を抱えててんやわんやの大騒ぎ、そして翌日停電によって寝坊した一家は大慌てで空港へ。しかし実はマカリスター家の末っ子ケヴィンがひとり家に取り残されていた…

いまや「ハリポタ」の監督として有名になってしまったクリス・コロンバスが監督としては初のヒットを飛ばした作品。脚本にはコメディの名手ジョン・ヒューズ、音楽にはジョン・ウィリアムズとスタッフもしっかりとしてし、脇を固める俳優もいいけれど、やはりなんといってもカルキン君の芸達者ぶりに脱帽。

コメディの名作に解説はいらないというのが私の気持ちなわけですが、やはり解説しなければなりません。

カルキン君は今では離婚なんかもして大変ですが、このころはとても芸達者な子供としていい味を出しています。今というかちょっと前は子役といえばオスメントですが、私はカルキン君のほうがかわいげがあって好きです。そういえば、このクリス・コロンバスは脚本家としても『グレムリン』とか『グーニーズ』とか作ってるし、いまは「ハリポタ」だし、子供ものを作るのが好きなのだと思われます。そもそもがアンブリン(スピルバーグの映画プロダクション)なので基本的に子供向けに強いわけですが、その中でもかなり子供を使う率が高い。だからこそ「ハリポタ」の監督に起用されたのだと思います。 そういう意味でも、この映画は現在まで見られてしかるべきで、しかもいつ見ても面白い。

もちろん、最大のハイライトはカルキン君が泥棒ふたりを撃退する最後のシークエンスなわけで、これをはじめてみた時は子供に帰って痛快感を覚えましたのを思い出します(といっても、たぶん高校生のころ)。

しかも、これは子供だましの映画ではなく、子供向けであっても大人向けと同じクオリティで作っているところがいい。子供の視点から見たファンタジーとして作るのではなくて、ある種のリアリズムを追求して映画が作られている。「そんなバカな!」と思わせるところはなく、すべての出来事がちゃんと複線を持って連綿とつながっているのです。

そして、コメディだけではなくファミリー・ドラマ的なものも盛り込むわけですが、これは家族向けとしては仕方のないこと。コメディとしてはそんなハートフルなものは取り除いて、とにかく笑わせればいいということになりがちで、基本的にはそういうコメディのほうが私は好きなんですが、この映画の場合はこのハートフルな面を入れることで物語全体がうまくまとまっているのでいいと思います。

2も3も今ひとつだったし、こういういいファミリー向けコメディというのは最近ないなぁ…

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です