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キューティー・ブロンド

2003/2/7
Legally Blonde
2001年,アメリカ,96分

監督
ロバート・ルケティック
原作
アマンダ・ブラウン
脚本
カレン・マックラー・ラッツ
キルステン・スミス
撮影
アンソニー・B・リッチモンド
音楽
ロルフ・ケント
出演
リース・ウィザースプーン
ルーク・ウィルソン
セルマ・ブレア
マシュー・デイヴィス
ヴィクター・ガーバー
preview
 カレッジで女子社交クラブの会長を務めるエルは女子生徒の中では人気者、金持ちでエリートのボーイフレンドもいて、卒業後は結婚と考えていた。そして卒業を前に、ボーイフレンドのワーナーに呼び出されたエルは、いよいよプロポーズかと期待するが、実際は別れを告げられてしまう。すっかり落ち込むエルだったが、彼を振り返らせるため彼と同じハーバードのロー・スクールに入ろうと闘志を燃やす。
 あまりかにありがちな女性蔑視を笑い飛ばす痛快ドラマ。よくある話といってしまえばそれまでだが、まだまだ根深く残る問題だけに、これをコメディによって描くことには価値があると思われる作品。主演は『カラー・オブ・ハート』、『アメリカン・サイコ』などのリース・ウェザースプーン。
review
 基本的にはおとぎ話というか、ガールズムービーにありがちな、最終的に生きがいも愛する人も手に入れるという夢物語なわけですが、このようなガールズムービーというのは若い女性が自己を投影できるようになっているので、そこに彼女たちの実像と願望が込められているということが出来るわけです。
 この映画を見ると、女性にばかりお茶くみをさせたり、セクハラがあったりという不公平感はいまだ根強く残っているのだという感じがします。特に弁護士のような権威的なタテ構造の残る社会ではいくら『アリー・myラブ』があっても、事態はそう簡単には変わらないわけです。
 そのような意味で、こういうティーンズから20代前半くらいに向けた軽い感じの映画でもフェミニスト的な題材が描かれるということは必要なことなのでしょう。そしてそのような男性社会に対する怒りを植えつけ、いまだ残る不公平を克服しようという行動のエネルギーを生む。そこが重要なんだろうと思います。それでも、時代的にはちょっと古き感じがしますね。5年から10年位前の感じ。もしかしたら、原作が書かれたのがそのころなのかもしれません。そのほうが男性・女性の力関係が明確で描きやすいというのもあるんでしょう。

 という女性にとっては痛快爽快な映画なわけですが、こういう映画は男性には受けが悪かったりする。それはもちろんこの映画が根本的に女性に主なターゲットにしているということもあるのでしょうが、嫌な上司なんかがいるのは男性でも代わらないわけで、まったく同意できないということではないはず。
 にもかかわらず、「男には…」などといってしまうのは、そこにこの映画に出てくる女性蔑視者に近い意識があるのだと思わざるを得ません。もちろん、具体的にそのような行動をとっているとか言うことではなく、明確な意識の下にそのような差別意識が横たわっているということ。
 人間は誰しも何らかの偏見を持って生きているわけですので、一方的に非難することは出来ませんが、自分の持つ偏見を意識しておくことは必要だと思います。たとえばなんとなく受け入れがたい映画を見たときに、なぜ受け入れがたいのかという理由が自分のほうにはないかと考えてみると、そんな偏見に気づくことが出来るかもしれない。たとえこんなコメディ映画でも、自分の偏見と向き合うきっかけになるかもしれないというのはなんだか不思議なことです。単なる夢物語で片付けず、自分の現実に引き込んだとき、そこから何かが生まれてくるかもしれない。それもまた映画の魅力のひとつであると思いました。
Database参照
作品名順: 
監督順: 
国別・年順: アメリカ2001年以降

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