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ベストセラー

Kissing ジェシカ

2003/3/31
Kissing Jessica Stein
2001年,アメリカ,97分

監督
チャールズ・ハーマン=ワームフェルド
脚本
ヘザー・ジャーゲンセン
ジェニファー・ウェストフェルト
撮影
ローレンス・シャー
音楽
マーセロ・ザーヴォス
出演
ヘザー・ジャーゲンセン
ジェニファー・ウェストフェルト
スコット・コーエン
トヴァ・フェルドシャー
preview
 敬虔なユダヤ教徒の家に生まれ、新聞社に勤めるジェシカは忙しい生活を送っていたが、母親がいい人を見つけろと口うるさい。ジェシカも誰がいい人がいないかと思っていたが、条件が厳しく、なかなか見合う人が見つからない。
 画廊に勤めるヘレンは男をとっかえひっかえしていたが、それにも刺激を覚えなくなり、女性と付き合ってみようと恋人募集の新聞広告を出そうと考え、ゲイの友人のアドバイスでリルケの詩の引用を載せた広告を出すことにする。そしてその広告をリルケの詩が好きなジェシカが眼にして…
 ヘザー・ジャーゲセンとジェニファー・ウェストフェルトの二人が共同で脚本を書き、主演もしたインディーズっぽい作品。監督もこれが処女作となるチャールズ・ハーマン=ワームフェルド。
review
 こういう非常にさりげない映画というか、特別変わったことをしない映画というのはいい。これはレズビアンを一つのテーマにしているので、従来ならば、それを問題化して無理にでも思想性のようなものをこめようとするのかもしれないけれど、もうすでにそういう時代は終わったのかもしれない。同性愛というのも一つの個人の選択に過ぎなくて、ことさら問題視することはないということが言いたいのかもしれない。
 しかし、現実は決してそのようなものではなく、依然として偏見も存在するし、いやな思いもするだろうし、戦わなければならないことも出てくるだろう。にもかかわらずことさら障害もなく、さらりと描いてしまうのは、逆にそのような現実を認識していながらも、「飛び込んでみれば何とかなる」と躊躇している人を励まそうという意図なのかもしれない。脚本/主演のふたりが実際にどのような関係なのかはわからないけれど、同性愛に対するそのようない思想を共通認識として持っていることは確かだろう。
 だから文句をつけようと構えて見なければさっぱりと見ることができてなかなか面白い。ストーリーも面白いし、キャラクターの作り方も面白い。特に主人公が誰にでも好感をもたれるヒロインではないというのがいい。アメリカン・ドリームじゃないけど、善人が成功するだけの英雄譚よりも、いやなところがあったり、見てるといらだつような生活だったりする人が成功したり失敗したりする話のほうが現実感がある。もちろんそのような話はドラマに欠けることが多く、映画として完成させるのは難しくなるのだけれど、その点ではこの映画はなかなかうまくやっている。すんなりと展開していくストーリーに慣れている観客の心理を逆手にとって小さなどんでん返しのようなものを重ねて物語を作っていく。そのあたりの展開の仕方がうまい。
 見終わったあと振り返ってみると「で?」という疑問が浮かばなくもないが、映画なんて見ている間さえ楽しければいいと考えればそれで十分という感じがします。

 この主演2人は脚本もやっているということで、『グッド・ウィル・ハンティング』のマット・デイモンとベン・アフレックの女性版という感じですが、ブレイクするでしょうか。マット・デイモンなんかも最初見たときは「地味だな~』と印象だったので、意外とこのジェシカもいけるのかもしれませんね。
 ちなみにですが、監督のほうはこの作品で認められ、『キューティー・ブロンド』の続編の監督に決まったそうです。
Database参照
作品名順: 
監督順: 
国別・年順: アメリカ2001年以降

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