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ストーカー

2003/5/24
One Hour Photo
2002年,アメリカ,98分

監督
マーク・ロマネク
脚本
マーク・ロマネク
撮影
ジェフリー・クローネンウェス
音楽
ラインホルト・ハイル
ジョニー・クリメック
出演
ロビン・ウィリアムズ
コニー・ニールセン
ミシェル・ヴァルタン
ディラン・スミス
エリック・ラ・サール
preview
 郊外のスーパーにあるプリントショップに20年間勤めているサイはにこやかに顔見知りのニーナと会話を交わし、息子のジェイクの誕生日にと使い捨てカメラをプレゼントする。ただの親切な写真屋さんに見えたサイだったが、実はそのヨーキン家の家族写真を自分ようにプリントし、部屋の壁にびっしりと貼っていたのだった。家族もおらず、孤独な彼はヨーキン家の人たちが自分を親戚であるかのように接してくれることを夢見ていたのだった…
 最近はなんだか切れた役が多い印象があるロビン・ウィリアムスが不気味な写真屋を演じたサイコスリラー。ロビン・ウィリアムスは見事に不気味だが、それほどの怖さはなく、意外に軽いドラマという感じ。
review
 ロビン・ウィリアムスの風貌と、ストーカーという題名と、予告で流れる壁にびっしりと貼られて写真とを見ると、こりゃ怖そうだ。と思うけれど、実際のところは怖さよりも映画としてのまとまりを追求した映画という感じがする。全体に白と青で統一された色調がこの映画の最大の特徴で、それはロビン・ウィリアムスの衣装からスーパーの壁、サイの部屋の色、などなどすべてにおいて徹底している。サイが現像機械の修理屋に「青が3ポイント低い」などといちゃもんをつけるところにも、この映画の色のこだわり(特に青へのこだわり)が感じられる。この監督はMTV出身らしく、通りで映像の作り方が劇よりはPVっぽいという感じがする。どこがと言われると難しいけれど、たとえば人物と背景のバランスの取り方とか、人物を正面から捕らえるときのカメラの角度(ローアングルが多い)や何かが、MTVっぽいという印象を受けます。
 ということで、映像はなかなか見れるという感じですが、肝心の物語のほうはといえば、なんだか浅いというか、いったい何が主題なのかわからないというか、サイコサスペンスとして観客を怖がらせることが主目的なのだとしたら見事に失敗しているし、このような社会的な事件の背後にあるドロドロした何かを描こうとしているんだとしても失敗している。むしろ、いまの時代こんな事件はどこにでも転がっていて、そんなどこにでもある事件を当たり前に普通のものとして描いたものといったほうがいい。普通にサイコサスペンスを取ろうとするならば、もっと脚色して、観客のドキドキ感をあおるものだけれど、この映画の展開は非常に地味で、リアルといっていいのかどうかはわからないけれど現実的である。
 そんな非常に現実的なお話であるというのはいいことでもあると思うけれど、この映画の問題はこの映画がサイコサスペンスの顔をしており、作り手もサイコサスペンスのつもりで作っているだろうということだ。もともとサイコサスペンスではなくて、現実を切り取ったドラマのつもりで作っているのだとしたら、もっとそれないの描き方があって、サイコ的な要素も織り交ぜつつ、全体としてはなるほどねという話になると思うのだけれど、この映画の場合はサイコサスペンスを作ろうとしたけれど、なかなかうまくいかなくてなんだか普通の話になってしまったという印象で、そのあたりがなんとも消化不良になってしまう。
 決してつまらなくはないけれど、これくらいのサイコサスペンスなら、1年間で世界中で100本くらい作られているんじゃないかという作品だし、一種のリアルなドラマとしてみても、それくらいに月並みなもので、どっちに転んでも並というしぶ~いドラマになってしまった感じです。
Database参照
作品名順: 
監督順: 
国別・年順: アメリカ2001年以降

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