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トゥームレイダー2

2005/2/8
Lara Croft Tomb Raider: The Cradle of Life
2003年,アメリカ,117分

監督
ヤン・デ・ボン
原案
スティーヴン・E・デ・スーザ
ジェームズ・V・ハート
脚本
ディーン・ジョーガリス
撮影
デヴィッド・タッターセル
音楽
クレイグ・アームストロング
出演
アンジェリーナ・ジョリー
ジェラード・バトラー
クリス・バリー
ノア・テイラー
シアラン・ハインズ
preview
 ギリシャで大きな地震が起こったその日、トゥーム・レイダーのララ・クロフトもその場にいた。そこがアレクサンダー王の伝説にある“月の神殿”がある場所だとわかったからだ。しかし、ララが像の胸に埋め込まれた黄金のメダルと、輝くオーブ(珠)を手にしたとき、現れたアジア系の一団に襲われ、オーブを取り落としてしまう…
 人気ゲームをもとにした『トゥーム・レイダー』シリーズの第2弾、前作と同じくアクション満載で、伝説の謎解きをストーリーとしたアドベンチャー仕立てになっている。監督は若手のサイモン・ウェストからベテランのヤン・デ・ボンに交代。
review

 前作の面白さは、そのスピード感にあった。なんだかわからないけれどものすごいスピード感でぐんぐんと進んでいき、その勢いに乗ってしまえばトリップ感を味わうことが出来て「あー面白かった」と終わることが出来る。しかし、筋立てやリアリティという点を問題ににするとまったく問題にならない作品だったわけだ。それでも、そのスピード感が映画の陳腐さや安っぽさを補って、充分に楽しめる作品に仕上がっていた。
 しかし、今回はその陳腐さや安っぽさは受け継いで、しかしスピード感はかなりダウンしているといわざるを得ない。何はなくともアクションシーンのスピード感のなさが決定的に問題だ。前作でもアンジェリーナ・ジョリーのアクションは決してうまいとはいえなかったが、いろいろな工夫で作品のスピード感を殺さない程度にはこなせていた。が、今回はアンジェリーナ・ジョリーのスピードに映画全体があわせてしまったかのようにパッとしないのだ。たとえば、アンジェリーナ・ジョリーとジェラード・バトラーがバイクで山道を疾走するシーン、ここではもちろんスピード感が表現されるべきなのだが、ここにスピード感はまったく感じられない。見た感じのスピードは60キロくらいのものだろうか。

 肝心のアクションシーンでスピード感を欠いてしまっているから、あとは推して知るべしなわけだが、そのあまりのズルズル感は逆の意味で笑えるということはいえなくもないかもしれない。
 たとえば、冒頭のすったもんだのあと、海底にボンベもなく取り残されたララ・クロフトは自分の腕を切って血を流し、それで鮫をおびき寄せ、鮫に一発パンチを入れて(!)、鮫の背びれに捕まって浮上する。んなアホな!!! 
 この映画には、そんな突っ込みどころが満載なのだ。決して狙いでやっているわけではないと思うが、ヤン・デ・ボンの作品はほとんどそんな感じだから、もしかしたら狙いなのかもしれない。
 そのようなラジー賞的な見方をする以外で、この映画に救いようがあるとしたら、主人公のキャラクターが一貫しているという点だろうか。前作の痛快さの理由のひとつには主人公ララ・クロフトの一本筋の通ったキャラクターというモノがあった。独立独歩、むしろ男たちを従えて、あごを上げて大またで闊歩する。そんな女性像が痛快であったわけで、それはこの作品でも維持されている。これが情にほだされたり、惚れた男には弱いのよなんて展開になってしまっていたら、まったくもって救いようがなかったのだが、この部分でひどい駄作に落ち込む一歩手前で踏みとどまったというところになった。
 前作が下手にヒットしてしまったために、続編で何か変わったことをやろうとして失敗する。それは、ヤン・デ・ボンが『スピード2』の時にもやってしまったことだ。ヤン・デ・ボンという監督は、そのような運命にあるのだろうか…?

Database参照
作品名順: 
監督順: 
国別・年順: アメリカ2001年以降

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