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X-MEN:ファイナル ディシジョン

★★★星星

2006/9/4
X-men: The Last Stand
2006年,アメリカ,104分

監督
ブレット・ラトナー
脚本
ザック・ペン
サイモン・キンバーグ
撮影
フィリップ・ルースロ
ダンテ・スピノッティ
音楽
ジョン・パウエル
出演
ヒュー・ジャックマン
ハル・ベリー
パトリック・スチュワート
ジェームズ・マースデン
ベン・フォスター
ファムケ・ヤンセン
イアン・マッケラン
アンナ・パキン
preview
 X-MENの指導者の一人であるジーンの死の衝撃の中、ミュータントを「治療」する“キュア”という薬が開発される。マグニートー率いるブラザーフッドはそれに反発し、人間に対する攻撃を加速、一方X-MENではジーンの死の衝撃から立ち直れないサイクロップスが自暴自棄に陥っていた…
  “Last Stand”と題されたX-MENシリーズの第3弾、相変わらずのCGとアクションは気持ちよく、ミュータントたちの心理もよく描かれ、謎もてんこ盛りでやはり面白いと思う。
review

 私は『X-MEN』シリーズが好きだ。あまりアメコミものとかハリウッドのべたべたアクションというのを好きになることはないのだが、このX-MENはなぜか好きで、新作が作られればついついてみてしまい、第3作目まできた。この作品もX-MENファンからはあまり評判がよくないという噂も聞くが、私にはおもしろかった。
  では『X-MEN』のおもしろさはどこにあるのだろうか。まず思いつくのは、登場するミュータントたちの様々なキャラクターにあるということだ。それぞれがおよそひとつずつ超人的な能力を持つミュータント、彼らはその超人的な能力を持つがゆえに他人から疎んじられ、多くはそれをコンプレックスとして抱えて育ってきた。そんな彼らが新たな家族として結束を固め、しかもその人間たちを助けるために行動する。その“絆”が最大の魅力であるのだろう。
  そして、ミュータントといえどもひとつの超人的な能力を除いては普通の人間であり、そこには様々な感情があり、たくさんの人間がいれば、そこに様々な関係が存在する。そしてこの映画のおもしろいところはあるひとつの大きな物語だけが存在するのではなく、その様々な人間関係が物語に様々な影響を与え、それによって全体の物語が大きく変化して行くということだ。そして、この『X-MEN3』では、プロフェッサーX(スコット)とマグニートーとの関係が一部語られる。数十年前の2人の関係からはじまったこの大きな物語が様々な変化を遂げながら今も続いている。
  ただ、この作品では主要人物の何人かが死ぬか人間化されるかしてしまった。それがそのキャラクターのファンには残念なことだと思うし、人間関係の深みを多少損なってしまうということがあるとは思う。しかし、映画のシリーズものというのは出演者の調整がなかなか難しかったりしてキャラクターの変更を余儀なくされたりすることも多い。この作品での理由がなんだかはわからないが、それで新たな人間関係が生じるのなら(若いミュータントたちの間でひとつかぎになりそうな関係ができつつあるが)それはそれで物語の新陳代謝なのかもしれない。
  そして、その人間関係が変化して行くということが非常にリアルで面白いのだろうと思う。

 しかし、その反面、ミュータントたちが主役ということで思い切り非現実的であるというのももうひとつのおもしろさだ。まあ、ミュータントがまったく現実的でないかどうかというのは別の話だが、このシリーズはとにかく現実を気にせずに映像を作ることができる点が強みだ。やたらとCGを多用する映画はアニメなんだかなんなんだかわからなくてつまらないことも多いが、このシリーズはそもそもほぼアニメとして作られているので、多少無理があるCGでも気になりはしない。その非現実感に浸ることができれば、浮遊感というか、高揚感というか、不思議な幸福感を得ることができる。
  そして最後にもうひとつ。このシリーズは数々の“謎”に満ちているのがおもしろい。作品の中でも様々な“謎”が投げかけられ、それを解こうとすることで観客は物語に引き込まれていく。この作品で言えば、ジーンの謎、“キュア”の謎などである。そして、その謎はひとつの作品内にとどまらず、次の作品に持ち越される。だから続編が出るとつい見てしまうわけだ。それはこの作品にも引き継がれている。題名は“Last Stand”とされているが、これで本当に終わりなのか!?これから見ようという人は、絶対にエンドロールが終わるまで見たほうがいい。
  いい具合にわかりにくく伏線が張られたこの作品の結末を見ると、「まだ次がある」と思うし、ぜひ次を作って欲しいと思う。そこではけっこう大きく変わったメンバーで新たなシリーズが展開されるのではないか。『スター・ウォーズ』見たいにこの3部作の前の3部作(スコットとマグニートーの関係、ウルヴァリンの秘密など)と後の3部作なんていうふうに作られたら面白いかもしれないなぁ…

Database参照
作品名順: 
監督順: 
国別・年順: アメリカ2001年以降

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