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マダガスカル

★★---

2007/6/28
Madagascar
2005年,アメリカ,86分

監督
エリック・ダーネル
脚本
マーク・バートン
ビリー・フロリック
エリック・ダーネル
トム・マクグラス
音楽
ハンス・ジマー
出演
ベン・スティラー
クリス・ロック
デヴィッド・シュワイマー
ジェイダ・ピンケット・スミス
サシャ・バロン・コーエン
preview
 セントラルパーク動物園の人気者のライオンのアレックスとシマウマのマーティ、ふたりは親友だがシマウマのアレックスは生まれてから一度も動物園の外に出たことがないことを不満に思っていた。人間好きなアレックスはマーティが逃げ出すのをとめようとするが、マーティは10歳の誕生日の夜、たまらず動物園を飛び出す…
  動物を主人公にしたドリームワークスのコメディアニメ。ディズニーっぽいファミリー向けのライトなアニメ。
review

 ドリーム・ワークスのアニメは、すでに確立されたディズニーの牙城を崩すため、反骨精神にあふれた作品として支持者を得てきた。その代表作が『シュレック』で、ディズニーお得意の御伽噺の世界を舞台にしながら、それをおちょくるようなギャグも盛り込んで、“オトナ”な観客の支持を取り付けた。
  しかし、そのドリームワークスがディズニーをしのぐ勢いで成長し、アニメ部門がドリームワークス・アニメーションとして独立してからは、どうも骨抜きになってしまったように思える。ドリームワークス・アニメーションが主となってアニメ製作を始めたのは、2003年ころからで、2004年の『シュレック2』以降はほぼ単独で製作している。
  そして、それ以降の作品はどうもディズニーっぽくなっている。まるでそれまでの皮肉はのし上がるための手段だったとでもいうように、ディズニーと変わらない内容の作品を作ってしまっているのだ。もともとファミリー向けのアニメとして作られているため、物語はもともとディズニーとそれほど変わらなかったわけだが、子供にはあまりわからない部分で批判精神を見せていたのに、この作品にはそれすらほとんど見られない。わずかに見られたのはペンギン隊くらいではないか。このペンギン隊こそがドリームワークスであり、むしろ彼らが主人公でなければならないのではないか。
  アメリカに限らずだが、大きな権力や企業が寡占状態になると、その組織が似通ってしまうというのはよくある話だ。今のディズニーとドリームワークスを見ていると、アメリカの2大政党制を思い浮かべてしまう。大まかにはほとんど違いがないが、細部で争って、さも大きな違いがあるかのように振舞う。実際、ディズニーは共和党とのつながりが強く、ドリームワークスは民主党とつながりが深い(ドリームワークスの設立者の一人デヴィッド・ゲフィンは民主党の大物支持者でもある)から、同じような構図が見られるようになるのも必然なのかもしれない。

 楽しいはずのファミリー・アニメを見てこんなことを思うのは、単純につまらないからだ。見ていて退屈というわけではなく、アニメとしてはそれなりに楽しめるのだけれど、あくまでも動物ものの当たり障りないアニメであり、オトナが見るに値する刺激はない。もう子供にとっても大人にとってもディズニーとドリームワークスの違いはなくなってしまった。
  違いがあるとすれば、ドリームワークスのアニメはお笑い芸人が吹き替えを担当するということくらいだろうか…

Database参照
作品名順: 
監督順: 
国別・年順: アメリカ2001年以降

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